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ダラス(130万人)

  • ダラス市はアメリカ合衆国のテキサス州北部に位置する。ダラス・カウンティ最大の都市であり、カウンティ庁所在地でもある。人口は130万人、全米9位、テキサス州ではヒューストン、サンアントニオに続く第3の都市である。隣接のフォートワースやアーリントンなどを含めたダラス・フォートワース都市圏内で最大の都市で、都市圏人口は全米第4の約750万人、州内ではヒューストン都市圏とほぼ同規模である。

テキサス州の位置図

テキサス州の位置図

テキサス州ダラス・カウンティの位置図

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ダラス水道

  • ダラス市の上下水道サービスは、ダラス上下水道局DWU:Dallas Water Utilitiesが提供している。DWUは、市内及び周辺地域の260万人に対して、水道、下水道、雨水処理サービスを提供している。全米最大の水道事業者の1つとして、1,600人の職員を擁している。

  • 浄水場部門は、ダラス市の3か所の浄水場と、市所有の貯水池Lake Ray Hubbardの運転管理を行っている。

  • SAWSの下水道サービス区域は、流域の地形を考慮し、水道区域より若干広い地域になっている。SAWSはこの地域の唯一の下水道事業者であり、軍の基地を含め、郊外の独自下水道システムを持つ事業者の下水処理を、料金をとって行っている。また、処理区域以外の開発地域に対しても、契約に基づきサービスを提供している。

ダラス市水道供給区域図

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ダラス周辺水道供給図

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ダラス水道:散水規制

  • 家庭での散水を、最大週2回に制限する制度は、2012年4月23日から導入された。散水は必ずしも必須でない用途と考えられているが、その量は年間想給水量の30%と高い割合を占めているからだ。

  • 水はテキサス州では最重要事項だ。旱魃に弱く、人口も増え続けている。州内の水道事業者は将来の水需要を確保すべく努力をしているが、新水源を確保できるまでの間、既存水源を効率的に使わなければならない。

  • 原則、毎年、4月1日から10月31日までの10時から18時までは散水禁止となっている。但し、手を洗うこと、浸透性ホースは例外である。個人的、または、地域の菜園も、上記と同様、例外である。

  • 灌漑用に非飲料用水(雨水、地下水、再処理水含む)の給水を受けている人は、この散水時間制に従う必要はない。しかし、再生水水道と契約している場合、契約しているビルの許可を得ること、再生水水道が使用中であることを示す紫色の表示が必要である。

  • ガーデニングの専門家は、深層にたまに散水することは修景にとっていいことだと言っている。最も熱い夏季期間中でも、5日か10日毎に2-3cmの散水をすれば十分である。

  • 芝生を新設したいときなど一時的な散水は、一時散水申請が必要である。小さな木を少し植えるだけなら浸透性ホースなどで十分である。

  • ゴルフ場や運動公園など大規模施設も一時散水申請が必要である。但し、その使用量は、直近5日前の使用量から5%削減しなければならない。違反した場合に罰則がある。

  • その他、散水時間制の適用されない事例としては、灌漑の方法として専門家が認めた法による場合、病院などの事例がある。

  • ダラス市は、2001年以来、節水努力を続けてきたが、1人当たり使用量は30%低減している。

ダラス水道の散水規制のお知らせ

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​ダラス市内での散水は最大週2回

散水可能時間のお知らせ

住所番地の最後の桁が偶数:

   日曜日と木曜日

​住所番地の最後の桁が奇数

   土曜日と水曜日

住所番地がない場合:

   日曜日と木曜日

ダラス水道:貯水池

①地下水(Edwards地下水層など5か所)

  • Edwards地下水層は、大規模な地下水層であり、SAWSの給水量の半分を供給している。この地層は断層が数多くあり、ほとんどが石灰層である。その地形学的特異性のおかげで、地下水の涵養量、生成量、効率的な注入再生メカニズムの点で全米有数の地下水層であるとされている。

②表流水(キャニオン湖・ダンロップ湖)

  • キャニオン湖は2006年に開発された表流水水源である。Western Canyon浄水場は、GBRA:Guadalupe-Blanco River Authorityと、Comal、Kendall、Bexarの各カウンティの水道事業者との共同施設で、その中でSAWSは、最低490万m3/年の取水権を確保している。

  • ダンロップ湖は、CRWA:Canyon Regional Water Authorityとの協定により実現したものである。SAWSは2023年度末までは、CRWAからダンロップ湖からの水を490万m3/年受水することになっていたが、2024年以降は、CRWAはその水は流域内に戻し、SAWSに対してはCRWAの地下水を代替供給することになっている。

ダラス水道の貯水池

地下水水源の位置

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ダラス下水道:浸水防御と内水排除

  • 1996年、ダラス・カウンティ内のTrinity川流域では浸水が頻発していた。市が発展するにつれ、その資産の被害が大きくなっていったため、堤防建設を行い、1931年に一応の完成をみた。しかし、堤防ができ、ポンプ場も設置されたとはいえ、大恐慌期の直後でもあり、その運転管理の費用は十分ではなかった。

  • このため、1950年代になって、陸軍工兵隊が大規模な改良工事を行った。堤防の拡大、ポンプ場の能力増強、圧力区間の拡大などが行われたのである。

  • 1968年、市は、ダラス・カウンティ浸水対策事業団Dallas County Flood Control Districtから、Trinity川の堤防下水道の運転管理業務の移管を受けた。現在、市は、陸軍工兵隊の監督の下で、堤防下水道の運転管理を行っている。現在においても、ポンプ場、自然流下水路、堤防の増設を行い、施設の改良に努めている。

  • この堤防下水道は、現在、40km2の地域内にある住宅、商業、産業地域にある,800億円の資産を守っている。

  • ダラス市の雨水排水管理の業務は、ダラス市内を流れる湖、クリーク、Trinity川を保全し、併せて、連邦政府、州政府、市の水質規制を遵守させることである。市は雨水排水の日常監視を行い、また、建設現場や事業所への立入検査を行っている。

ダラス堤防下水道Dallas Floodwayの概要

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ダラス堤防下水道Dallas Floodway:市街地区間

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ダラス堤防Dallas Leveesと
ダラス堤防下水道Dallas Floodway

  • ダラス市内を流れるTrinity川は、それほど大きな川ではないが、北方のオクラホマ州との州境からダラスのLivingston湖まで1,100km南に流れ、最終的にはメキシコ湾に流れ出ている。

  • ダラス堤防Dallas Leveesは、堤防であるのでもちろん河川の氾濫を防ぐ目的もあるが、土の堤防で雨水排水を調節することも目的としていて、川の片側に川に平行に建設された水路を持っており、この雨水排除の水路はダラス堤防下水道Dallas Floodwayと呼ばれている。

  • ダラス堤防下水道Dallas Floodwayは、Trinity川の支流であるElm川とWest Fork川沿いに、市街地中心部まで続き、さらに、中心部を抜けた後は、再び、Trinity川の南からRochester堤防を経て、Dallas Floodway拡張区域にある中央下水処理施設まで続く。

  • 堤防延長37km、堤防の高さは平均的に70mから80mである。Elm川とWest Fork川沿いの区間は1932年に建設され、その後、1950年代に、陸軍工兵隊により増強された。1990年代にはダラス市が、Rochester堤防を建設し、また、中央下水処理施設堤防部分を改良した。

  • ダラス堤防下水道は、堤防で守られた130km2の土地に対する汚水貯留池と排水施設を持っている。7か所のポンプ場で、下水路の背後にある汚水貯留池からの排水をTrinity川に排出している。

堤防下水道の一部

中央下水処理場区域堤防CWWTPの一部

Able Pump Stationの完成イメージ

雨水貯留池

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