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フレズノ(54万人)

  • アメリカ合衆国カリフォルニア州中部フレズノ・カウンティにあり、同郡の郡庁所在地である。サンフランシスコ都市圏とロサンゼルス都市圏の中間に位置する一帯の拠点都市でもある。

  • 東部にはシエラネバダ山脈が控えており、ヨセミテ国立公園、セコイア国立公園、キングズ・キャニオン国立公園の拠点にもなっており、観光拠点都市としても発達している。

  • 1860年頃、ゴールドラッシュの影響で白人らが入植、肥沃な農地を生かした農産物の集散地として発展した。

フレズノ・カウンティ内のフレズノ市の位置図

フレズノ・カウンティ内のフレズノ市の位置図

フレズノ水道

  • フレズノ市の水道は、同市水道局が運営している。その対象は、市内と関連地域の300km2の14万人に対して給水している。3つの浄水場、271の地下水水源、延長約3,000km、口径100mmから1600mmまでの管路を管理している。

北東浄水場NESWTF:Northeast Surface Water Treatment Facility

  • 北東浄水場は、能力11万m3/日の浄水場であるが、表流水を処理するフレスノ市最初の浄水場で、2018年に完成した。この浄水場は、Millerton湖からの水を浄水し、市の、延長7kmのFriant-Kern Canal送水管を通じて給水される。

南東浄水場SESWTF:Southeast Surface Water Treatment Facility

  • 南東浄水場は2020年に新たに完成したもので、Kings川からの水を浄水し、市の、延長24kmのKings River送水管を通じて給水される。

  • SESWTFは、現状、20万m3/日までしか認められていないが、処理能力としては30万m3/日あり、将来的にはその処理能力を持つことになる。

  • T-3浄水場と配水池:T-3 Surface Water Treatment Facility & Water Storage Tank

  • フレズノ市は、2015年、T-3浄水場と配水池の運転を開始した。Kings川から Enterprise水路を通り、市東部のこの施設に導水される。15万m3/日の能力を持つ。

地下水水源

  • 市は、取水量を計測できる井戸を市内中の271か所保有している。これらの地下水は、表流水が通水する2004年までは、全て水道用水として使われていた。表流水と地下水の混合給水により、取水ポンプの運転を低減させ、地下水滞水層の回復を早めることになる。

Leaky Acres地下水注入施設

  • 地下水注入とは、地表の水を土壌の下の帯水層まで浸透する過程で生じている。帯水層は、地表から2.5mから数百mのところにある。水が浸透するにつれ、自然的な土壌によるろ過、再生、注入が行われている。

  • Leaky Acres地下水注入施設Recharge Facilityは、1973年から運転されており、フレズノ灌漑事業団Irrigation Districtの農業用水路を通じて受水した Kings川の表流水を、地下の帯水層に供給している。この施設では、600万-3,000万m3/年の水を、敷地内のあらゆるところから浸透させている。その水量は、水道の給水量、農業用水の使用状況、その他フレズノ都市圏浸水防御事業団Fresno Metropolitan Flood Control Districtの地下水注入施設の注入状況によって変動する。

  • 2017年には、市水道局は、Nielsen Basin地下水注入施設を新設した。Leaky Acresと Nielsen Basin施設の両方で123万m2の浸透性土壌の敷地となっている。

フレズノ:南東部浄水場

フレズノ:南東部浄水場

フレズノ水道・地下水注入区域

フレズノ水道・地下水注入区域

フレズノにおける地下水規制

【持続的地下水管理法SGMA:Sustainable Groundwater Management Act】

  • カリフォルニア州法2014年SGMAは、水資源管理を規制する基本的法律である。SGMAは、おおむね50年間の間、地下水資源を持続的に保全し、次のようなことが起こらないようにすることを目的としている。

    • 著しい、適切でない地下水位低下

    • 地下水貯留量の減少

    • 地下水水質の悪化

    • 地盤沈下

    • 表流水注入の減少

  • SGMAは、自治体に対し、地下水規制のために、地下水規制当局GSA: Groundwater Sustainability Agencyを設立し、「地下水保全計画GSP:Groundwater Sustainability Plan」を策定するよう義務付けている。

  • フレズノ市は、このGSAの1つNKGSA:North Kings Groundwater Sustainability Agencyのメンバーである。NKGSAは、地盤沈下がひどいKings カウンティ北部地域を対象として、GSPを策定、実行することを目的として設立された。

  • カリフォルニア州水規則では、フレズノ市のような都市水道は5年毎に、UWMP:Urban Water Management Planを作成することが義務付けられている。UWMPにおいては、それぞれの水道事業者が、将来の水需要にどのように水源を確保するのかを明らかにする必要がある。フレズノ市のUWMPも、市の水道にどのような投資をするかを明らかにした文書の1つである。

フレズノ:地下水規制当局の所管区域

フレズノ:地下水規制当局の所管区域

フレズノ水道・地下水注入区域

フレズノ水道・地下水注入区域

フレズノ:地下水位の経年変化

フレズノ:地下水位の経年変化

フレズノの下水道

  • フレズノ市下水道局WMD:Wastewater Management Divisionは、フレズノ-クロビス都市圏の下水道を運営している。都市圏内の下水管路延長は2,600kmで、市南西部に位置するFresno-Clovis広域下水処理場で処理される。

  • WMDには179人のフルタイム職員がおり、水質検査、処理施設の運転、下水管路の維持管理等に従事する電気、機械、管理業務に関わっている。

  • 延長2,600kmの下水管路は口径150㎜から2100mmまでの管で構成され、23万m3/日の下水を処理している。その他、24,000件のマンホール、15か所のポンプ場も管理している。

  • 市下水道局は、上記広域下水処理場の他、特定の開発区域に限定したローカルな高度下水処理場も持っている。この高度下水処理場は、Copper River Ranch地区の開発主体であるCopper River Ranch有限責任会社LLCが、いわゆるBOT方式で処理場を建設し、2008年11月、フレズノ市に移管したものである。​

  • 市への移管後は、フレズノ北下水処理場NFWRF:North Fresno Water Reclamation Facilityとして運営されている。この施設は、Copper River Ranch地区とその周辺地区の家庭下水と事業所下水を高度処理し、再利用水として供給しているものである。この地区は3km2の開発面積を持っている。施設能力は、最大4,000m3/日、平均2,700m3/日の能力を持っている。

  • 処理後の再生水は、Copper Riverゴルフ場の修景用水に使われている。カリフォルニア州規則が定める再生水の水質基準まで処理し、消毒後給水している。

resno-Clovis広域下水処理場

resno-Clovis広域下水処理場

フレズノ北高度下水処理場

フレズノ北高度下水処理場
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